「ChatGPTやGeminiなどのAI検索経由で、自社のサービスが全く推奨されていない」
「LLMO(大規模言語モデル最適化)に取り組みたいが、具体的な成功事例を知りたい」

生成AIの普及や、Googleの「AI Overviews(AIO:AIによる概要)」の登場に伴い、このようなご相談をいただく機会が急増しています。AIのモデルやユースケースは頻繁にアップデートがあり、技術的な詳細については外部的には分からない事の方が多いと言えます。この激しい変化に対応するため、弊社ではAIリサーチ&イノベーションセンター(AIRI)を設置し、研究、技術開発、そして実証実験までを一貫して実施しています。

そこで本記事では、データと技術を武器に3,500社以上のマーケティング支援を行うSpeee自身が、 「自社のLLMO(AEO)対策」として実際にどのようなプロセスを踏み、どのような成果を出したのか、その成功事例の裏側 を公開します。

表面的な「AIハック」ではなく、本質的な事業グロース(CVR改善・売上向上)に繋げるための具体的なアプローチの参考としてご覧ください。

【本事例で達成した主な成果】

Gemini シンプルプロンプトの成果例
  • 特定のターゲットプロンプト において、Geminiでの「第1位推奨率」および「平均推奨順位」で競合内トップを獲得
  • Speeeの強みの根源であるR&D機関、AIリサーチ&イノベーションセンター(AIRI)の保有及び、独自開発し特許出願中のAI可視化指標、「AI Visibility Score™ (AVS)」が意図した通りの文脈で強み として言及される割合が大幅に向上
  • AI経由での認知拡大だけでなく、CVR改善・売上向上といった本質的な事業グロースに直結する基盤を構築

※現在、下記セミナーにて自社事例をよりわかりやすく紹介しています。ご都合のあう方はぜひご参加ください。

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※本記事では日本でよく使われる「LLMO」という言葉を用いていますが、実際はLLM単体ではなく検索機能などと組み合わせて回答を生成しているため、本質的には検索エンジン全体を最適化する「AEO(回答エンジン最適化)」が最適です。LLMOとAEOの違いについて詳しくは下記記事をご覧ください。
▶ 関連: LLMOとAEOの違いとは?次世代の検索最適化の本質を解説

前提:なぜ「LLMO対策」 だけでは対策として不十分なのか

LLMO(生成AI検索対策)というと、「AIが読み込みやすいよう構造的な文章にする」「AI向けのメタタグを入れる」といった表面的なテクニックを想像されるかもしれません。しかし、現在のAI製品(対話型AIやAIOなど) は、単なる言語モデル(LLM)ではなく、背後でRAG(検索拡張生成)という仕組みで検索エンジンなどを介してWeb情報 と連携し、リアルタイムにWeb上の情報を収集・評価して回答を生成しています。

そのため、Speeeでは「LLM単体への最適化(LLMO)」に留まらず、AI検索製品 全体を最適化する「AEO(回答エンジン最適化)」の視点が不可欠だと考えています。

AIに自社を推奨させるには、 AIが自社製品やサービス情報を「発見」し、「理解」し、他社と比較して自社製品やサービスが「優位であると評価」するまでの全ファネルを最適化する という、極めて泥臭く、深い技術的アプローチが必要になります。また、AIに自社を推奨させるだけを目的にするのではなく、AIに推奨された後、ユーザーの行動をCVまで繫げられているかまでを考慮・設計した上での対策が最も本質的です。

AIが推奨に至るまでのプロセス図

この複雑なプロセスを紐解き、LLMO対策を成功に導くため、Speeeでは以下のステップで自社プロジェクトを推進しました。次の章から各ステップを解説していきます。

【Speeeが実践したLLMO(AEO)対策 6つのステップ】

  1. STEP 1:前提定義(ペルソナ・プロンプト・理想的な推奨状態・競合の定義)
  2. STEP 2:現状把握と対策優先度の決定(問題箇所の特定)
  3. STEP 3:AIの推奨メカニズムに対する「仮説構築」
  4. STEP 4:仮説を元にした課題分析(ボトルネックの特定)
  5. STEP 5:AVSを活用した施策立案と、最短ルートでの実行
  6. STEP 6:効果検証と、得られたファクトに基づく「仮説のアップデート」

STEP 1:前提定義(ペルソナ・プロンプト・理想的な推奨状態・競合の定義)

まずは、下記3つの観点から対策の土台となる前提条件を緻密に定義します。

  1. プロンプト群の定義
  2. 理想的な推奨状態の定義
  3. 追いかけるべき競合の特定

1、プロンプト群の定義:

まずは、ユーザーが自社サービスを探す際にAIに入力するであろう「問い(プロンプト)」を定義します。Speeeの実践事例では、単に「LLMOコンサル おすすめ」といったシンプルなプロンプトだけでなく、以下のようにユーザーの検索意図や前提条件を掛け合わせを4タイプ(SKPC)に分けた 合計100パターン近いプロンプト を用意し、定点観測の土台を構築しました。 このSKPCは、ユーザーがAIとの対話を続ける中での過程(ジャーニー)の各地点を代表した問い(プロンプト)となっており、AIとの対話の中でジャーニーのどのフェーズに課題(言及率や推奨率が競合と比べて低い、など)があるのかが分かる様な設計になっています。

S型 シンプル
シンプルな質問に対する回答傾向を分析し、代表的な質問での推奨状況を評価
例:おすすめのXXXX(商品・サービス)を5つ、それぞれ理由付きで教えて
K型 キーワード型
シンプルな質問に加えて、+1キーワードを含む質問での回答傾向を詳細に分析
例:1日だけ利用したいのですが、おすすめのXXXX(商品・サービス)を5つ、それぞれ理由付きで教えて
P型 ペルソナ型
ペルソナ情報(属性や課題)を盛り込んだ、より具体的で長い質問での推奨状況を分析
例:私はXXXX(家族構成や企業属性情報)です。長期休みはXXXX(想定行動内容や、企業管理者として重視する評価軸や視点)です。おすすめのXXXX(商品・サービス)を5つ、それぞれの理由つきで教えてください
C型 コンペア型
自社/ブランドと、競合企業/ブランドとの1対1比較で、それぞれどのような観点で評価されるのか、その各観点で、どちらが優位に評価されているのかを確認
例:A社(自社/ブランド)とB社(競合企業/ブランド)を比較した場合、どちらがより優れていますか?重視するポイント別に、どちらがおすすめかを5パターン教えてください

2、理想的な推奨状態の定義

「どのプロンプトで、何位に推奨されたいか」だけでなく、「どのような文脈で推奨される のが理想か」を言語化します。Speeeの実践事例では、Speeeの強みの根源であるR&D機関、AIリサーチ&イノベーションセンター(AIRI)の保有及び、特許出願中の技術を用いて測定するLLMO/AEO対策のためのSpeee独自の総合指標「AI Visibility Score™(AVS) 」、LLMOでも必要となる長年のSEO実績などが強みとして 言及される事が理想だと定義しました。

3、追いかけるべき競合の特定

従来の検索エンジン上の競合だけでなく、AIが頻繁に言及している「AI上での競合」を調査し、ベンチマークすべき対象を特定します。この際、手作業で数回AIの回答を確認するのではなく、パーソナライズや回答の揺らぎを考慮し、膨大なプロンプト 群に対してAIがどう振る舞うかを網羅的にデータ取得したうえで競合の特定をすることが、精度の高い 戦略立案の第一歩となります。

STEP 2:現状把握と対策優先度の決定(問題箇所の特定)

次に、STEP 1で定義したプロンプト群に対し、主要な生成AI(ChatGPTやGeminiなど)が自社をどの程度推奨しているかを網羅的に計測します。 この段階では、まだ深いボトルネック分析は行わず、「全体を俯瞰して、どこに最も大きなギャップ(問題箇所)があるか」を特定し、対策の優先順位を決定します。

Speeeの自社事例においては、現状を分析した結果、以下のような傾向が見えてきました。

  • ChatGPT: 全体的に見て、概ね良好な推奨状況を獲得できている。
  • Gemini: S型(シンプルプロンプト)などにおいて、推奨状況に明確な課題(推奨順位の低さや言及漏れ)が見られる。

この結果を受け、全方位に対策を分散させるのではなく、まずは最も改善インパクトが大きい「シンプルプロンプト × Gemini」のパフォーマンス向上にフォーカスして優先的に対策を行うという意思決定を下しました。

STEP 3:AIの推奨メカニズムに対する「仮説構築」

優先すべきターゲット(Gemini × シンプルプロンプト)が決まりました。次は、「対策場所」をいきなり探すのではなく、「なぜ現在の推奨結果になっているのか?」という仮説を構築します。

Speeeの社内研究機関(AIRI)では、当時のデータから各AIの特徴について以下のような事前仮説を立てました。

  • ChatGPTに関する仮説: RAG(検索拡張生成)の探索深度がGeminiよりも浅いのではないか。そのため、回答生成の際に自社サイトよりも、外部の第三者サイト(メディアや比較記事など)の重要度が著しく高くなっているのではないか。
  • Geminiに関する仮説: RAGの探索深度が深く、より厳密なグラウンディング(情報の根拠づけ)が行われているのではないか。そのため、結果的に回答生成の際に「公式サイト配下のコンテンツ」の参照・影響度が高くなっていると考えられる。そのためChatGPT と比較して、自社サイト内でのコンテンツを活用した対策が効く可能性が高いのではないか。

STEP 4:仮説を元にした課題分析(ボトルネックの特定)

STEP 3で立てた仮説(特に今回はGeminiに関する仮説)をベースに、いよいよ「シンプルプロンプト × Gemini」における自社のボトルネックを特定するための課題分析を行います。

ここでは、「単にコンテンツが無い」といった表面的な分析ではなく、「AIが他社ではなく自社を推奨するために、どの観点(評価軸)の情報が弱いのか」を洗い出します。

この分析には、Speee独自開発の指標である「AI Visibility Score™ (AVS)」をフル活用しました。Speeeでは、AVSを活用し、AIの推奨状況を単なる順位ではなく、以下のファネルに分解して可視化し、課題の特定を行いました。

  • AIに見つけてもらえるか(AI検索訪問率)
  • AIに理解を促せるか(AI言及採用率)
  • AIに推奨してもらえるか(第1位推奨率 / 平均推奨順位)
  • AI推奨がCVに繋がるか(AI推奨後CVR)

AVSを用いてAIの回答構造をこれらのファネルに分解・可視化することで、「AIは自社を認識している(AI言及採用率は高い)が、他社と比較した際の優位性(強み)を裏付けるデータが不足しているため、上位推奨に至っていない」といった、極めて解像度の高い課題を特定することができました。

STEP 5:AVSを活用した施策立案と、最短ルートでの実行

課題(AIの推奨に必要な観点の不足)が明確になれば、施策の立案です。

Speeeでは、無数にある施策アイデアの中から、「課題解消を短い時間軸で実現するため、ミニマムにやれる施策から実行する」というアプローチを取りました。

AVSの分析結果を用いながら、「効果性(AIの推奨にどれだけインパクトを与えるか)」と「実装コスト(開発工数や既存SEOへのリスク)」の2軸で施策を評価し、以下のような実行プランに落とし込みました。

実行した施策例:

  • 不足情報の網羅と補強: AIが比較検討を行う際に重要視しているが、自社サイト上で情報が薄かった「プラン情報」「費用感」に関するページをリッチ化。
  • AI向けの情報構造化(意味付け): AIがSpeeeの強みを「意味のあるデータ」として解釈しやすいよう、実績の数値根拠を明確にし、AIが読み取りやすいHTML構造 に見直すことで、既存のSEO流入を守りながらAIの理解度を向上させました。

一見するとシンプルな施策に見えますが、これは膨大なデータ分析と効果検証(AVS)によって「ここさえ直せば結果が変わる」という急所を特定できているからこそ実現できる、最短距離の打ち手です。

STEP 6:効果検証と、得られたファクトに基づく「仮説のアップデート」

施策の実行後、再びAVSを用いて定点観測を行いました。その結果は非常にクリアなものでした。

1. 狙いすました領域での圧倒的成果

最も注力した「シンプルプロンプト × Gemini」において、 第1位推奨率や平均推奨順位が大幅に向上し、見事競合内トップを獲得 しました。一方、それ以外のプロンプト領域では、ポジティブ・ネガティブどちらでもない範囲内の変動に留まり、概ね現状維持。つまり、「データに基づいて狙ったところに、ピンポイントで成果を出せた」ことになります。

2. 事前仮説の検証と「新たな気付き」

さらに興味深いことに、施策実行後、特に対策を絞っていなかったはずの ChatGPTにおける推奨状況も全体的に良化 する動きが見られました。この変動結果から、STEP 3で立てた事前仮説の「答え合わせ」とアップデートを行うことができました。

  • Gemini仮説の検証結果: 「RAGの探索深度が深く、厳密なグラウンディング(根拠づけ)が行われるため、一次情報である公式サイトが重視される」という 仮説は、 すべてデータとして裏付けられました。
  • ChatGPT仮説の検証とアップデート: 「RAGが浅そう」という点は正しそうでしたが、「第三者サイトの重要度が著しく高い」という仮説は 一部覆りました。 公式サイトの改修がChatGPTにも明確に効いたことから、「回答生成には公式サイトの構造・コンテンツも強く影響する。ただし、公式サイトの情報がAIにどう評価されるかは、第三者サイトでどのように言及されているかがファクターになっている可能性がある」という、より深い仕組みの理解に繋がりました。

まとめ:LLMO(AEO)成功の鍵は、自社の現在地を知ることから

ここまでご覧いただいた通り、真に成果を生むLLMO(AI検索最適化)対策は、シンプルなプロンプトで自社名やサービス名を推奨させる、そのためにハック的な施策を実行する 、といったレベルの話ではありません。

  • 数百〜数千のプロンプト に対する網羅的なデータ分析環境
  • 進化し続けるAIプロダクトを解明する専門の研究体制(R&D)
  • 既存のSEO流入を守りながら、サイトの構造・コンテンツを改修する深い実装力

これら全てを統合して初めて、短期的な成果にとどまらない、事業グロースに直結するAI検索対策が実現します。

▶ 【無料相談・お問い合わせ】SpeeeのAEO/SEOコンサルティングについて詳しく聞く

AEO・LLMO への取り組みをご検討中の方へ

「自社がAIからどう見られているか、まずは客観的なデータを知りたい」
「AI検索時代に向けて、手遅れにならないための段階的な投資を検討したい」
このような課題をお持ちのWeb担当者様は、ぜひ一度Speeeにご相談ください。AEOサービス責任者をはじめとする専門のコンサルタントが、今回ご紹介した事例のように、お客様の事業状況に合わせた柔軟な対策プランをご提案いたします。

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Speeeでは、本記事でご紹介したような「AI時代の検索マーケティング新戦略」に関する 無料オンラインセミナー を定期的に開催しております。最新のLLMO・AEO対策の動向や、さらに詳しい自社事例の裏側を知りたい方は、ぜひご参加ください。

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著者・監修者情報

著者: Speee Marketing Insights編集部

株式会社Speeeが運営する「Marketing Insights」は、"事業を進化させるデジタルマーケティング"をテーマに情報を発信しています。 SEO、AEO、Web広告、CVR改善などの実践的なノウハウから、戦略策定や市場動向を読み解く深い洞察まで、幅広いコンテンツをお届けしています。

監修: Speee AIリサーチ&イノベーションセンター(AIRI)

事業と連携してAIソリューション開発を進めるために設立された機関。 研究、技術開発、そして実証実験までを一貫して実施。業界を牽引するAIスペシャリストと総勢50名以上のアナリストが所属しており、 大量の実案件ベースのデータを活用しながら、業界を牽引するAIソリューションを生み出し続ける。