東京ソワールが実現した「本当にお客様に届く」ECサイト―リニューアルでCVR1.5倍 セオリーとお客様の声を融合させたSpeeeのSEO×CVR改善プロジェクト

株式会社東京ソワール × 株式会社Speee

56年の歴史を持つ老舗フォーマルウェア企業、東京ソワール。昨年、創立55周年を記念したリブランディングプロジェクトの一環で、ECサイトの大幅リニューアルを実施し、CVR1.5倍という目覚ましい成果を上げました。本インタビューでは、東京ソワールでデジタル戦略部を統括する島村様に、ECサイトのリニューアルの裏側とSpeeeとの取り組みについて詳しく伺いました。

業種

アパレル

サイトタイプ

ECサイト

ご支援領域

SEO

CVR改善

東京ソワール×Speee

プロジェクト関係者のご紹介

株式会社東京ソワール

島村 聡

上席執行役員 デジタル戦略部長

株式会社Speee

松田 尚也

マーケティングインテリジェンス事業本部 BU責任者 兼 プロジェクトディレクター

Why Speee?

  • 課題

    • シニア層が主な顧客の中で、LTV向上のため幅広い年齢層へのアプローチが必要だった
    • 創業55周年のリブランディングに伴い、既存・新規顧客双方に受け入れられるECサイトの設計が求められていた
  • Speeeへの
    決め手

    • ECサイト改修・リニューアルの豊富な知見
    • 単なる集客やサイト改善にとどまらず、「顧客」を起点にしたSEOとCVR改善の包括的な支援
    • 全社のリブランディング方針の深い理解と、その軸をぶらさないプロジェクト設計
  • 効果

    • サイトローンチ後、CVRが1.5倍に向上し、既存顧客と新規顧客双方の満足度が大幅にアップ
    • 実際のお客様の声とUI/UXのセオリーを融合させた、本質的かつ効果的なサイト改善を実現

SESSION 01

既存のお客様を大事にしつつ、新たなお客様に届けるためのサイトリニューアル

Speeeとのお取り組みが始まったのは2023年からですね。
当時、弊社のインサイドセールスからお電話させていただいたことがきっかけだったと伺っています。

島村様:まさに課題を感じていたタイミングでご連絡をいただきました。

私が現在のデジタル戦略部に着任した2021年当初から課題ではあったのですが、フォーマルウェアが50代、60代の方をメインのお客様としている中で、LTVを高めていくためにはもっと幅広い年齢層へのアプローチが必要だと感じていました。

そんな中で会社としてリブランディングプロジェクトが立ち上がり、事業の主軸となるECサイトもその計画にあわせて改修していくべきだという話になったんです。
そこで、より多くのお客様にアプローチをする上で、ECサイトとして何が必要なのかというところをいろいろと考えていました。

もちろんデザインの話もあるのですが、当社が百貨店様とのお取引から始まっており、その当時からご利用いただいている「サービスの質」を求めるシニア層のお客様と、新たに獲得していきたい若年層のお客様のどちらにとっても最適なサイトの設計を模索しているタイミングでした。

その時にSpeeeさんからいただいたご提案が、単なる集客やサイト改善ではなく、顧客を出発点としたSEOとCVR向上の提案だったので、当時の課題にあっていたこともあり発注をきめました。

インタビュアー:御社では創業55周年を記念した大規模なリブランディングプロジェクトが進んでいたとのことで、その方針を反映させながらECサイトを改修する必要があったのですね。

島村様:そうですね。私はリブランディングのプロジェクトのチームにも所属していたので、会社としての方向性、獲得していきたいお客様や届けたいメッセージは深く理解していました。それをECサイトのリニューアルプロジェクト側にも共有しながら進めていました。

島村 聡 様(株式会社東京ソワール 上席執行役員 デジタル戦略部長)

松田:サイトのリニューアルやCVR改善施策を進める際に、「データからみるにこのコンテンツを上にもってきたほうがよさそう」みたいな話はよくあると思うのですが、今回の取り組みではリブランディングの方針も踏まえて、「その改修は東京ソワールが獲得していきたいお客様にとって本当によいのか」といった議論がたくさんあがりました。

島村様:既存のお客様を大事にしながら、新たなお客様にも受け入れられるサイトにするにはどうしたらよいのかは結構悩んだポイントでしたね。

インタビュアー:既存のシニア層のお客様と、より若年層のお客様のどちらにも受け入れられるECサイトを作り上げるのはかなり難易度が高いと思うのですが...。

島村様:おっしゃる通りで、本当に細かいところを何度も何度もすり合わせました。
ここの黒い部分の幅をあと1ミリ詰めてください、とか(笑)
実際に60-70代のお客様にデモ環境を見ていただいたりもしました。

松田:通常のECサイトでよくある「HOTキーワード」とかも伝わりづらいから「人気商品」に変えようとか、商品写真も多いほうが一般的にはCVRが上がりやすいとかあるのですが、実際のお客様に合わせて数や掲載の仕方などをこだわりましたね。

一方でSEO観点でGoogleに評価されるような設計も必要なので、そこの要件も落とさずに組み込みました。

SESSION 02

ECサイトやリニューアルでの知見を活かしつつ、リブランディングの軸はぶらさない―Speeeの支援の裏側

届けたいお客様に本当に届くサイトを考えながら、SEO観点も入れ込むことは結構難しいですよね。このような難易度の高いプロジェクトにおいて、どのような部分にSpeeeの価値を感じていただけていましたか?

島村様:まずはやはり新しいお客様の獲得部分に関する知見ですよね。過去も何回かECサイトの改修は行っていたのですが、既存のお客様にとって使いやすい改修がメインになっていました。ただ今回のリニューアルでは新たなお客様にも届くサイト作りが必要で、今までのやり方では通用しない状態だったので、「世の中では今どんなサイトが受け入れられているのか」を様々なECサイトの知見や最新の情報を持っているSpeeeさんから吸収できたことは大きかったと思います。

松田:そうですね。信頼して任せていただいていたので、我々も身が引き締まる思いでした。

インタビュアー:そこまでの信頼関係を築くことができた背景には何があるとお考えですか?

松田 尚也(株式会社Speee マーケティングインテリジェンス事業本部 事業責任者 兼 プロジェクトディレクター)

島村様:Speeeさんにリブランディングの方針をきちんと理解していただいていたことですね。リブランディングの軸をぶらさずに、サイトとしてはこうあるべきだという提案をいただけたことは大きかったと思います。

松田:リブランディングプロジェクトで決まったことの背景、例えば「こういう議論が社内であったから、カラーはこれになったんですよね」とか「カラーはこの明るさの範囲なら使用してよいことになった、その理由は...」といったかなり細かい話まで共有いただくようにしていました。弊社としてはそれをきちんと踏まえたうえで、ECサイトの方針をご提案させていただいていました。

インタビュアー:サイトのシステムの仕様設計についてもご支援をさせていただきましたが、その点についてはいかがでしたか?

島村様:サイトリニューアルは、正直言うと制作会社と2社で済ませようと思えば済ませられちゃう話なんですよね。

ただ私の立場からすると、どうしてもサイトの機能的な話などで意見がすり合わない部分があって... 。
そんな中でSpeeeさんが制作会社との間に入ってベストな方向に導いてくれたことはプロジェクトを進行するうえでやりやすかったです。

松田:島村様のおっしゃる通りで、世の中の大半のサイトリニューアルが事業者様と制作会社の2社で行われているのですが、機能が複雑だったり工数負荷が大きく、制作会社側が要望を受けきれないときがあったりするんですよね。
そういった時に、集客やCVR改善の要件を落とさずに要望を実現する代替案をたくさんもっているので、どちらにとっても最適な方向をご提示することができます。

弊社はサイトリニューアルの取り組みも豊富で、いろいろな会社のベストプラクティスを知っているので、それを活かしてそれぞれのお客様のプロジェクトをベストな形で進行できることが、パートナーとしての価値だと考えています。

SESSION 03

サイトローンチ後にCVR1.5倍 セオリーとお客様の声を融合させた「真のサイト改善」

約1年弱のプロジェクトで完成した新サイトが2024年10月にローンチされましたね。CVRが1.5倍改善という素晴らしい成果が出ていますが、どのようにとらえられていますか?

島村様:私たちがやりたかったのは、サイトをご覧いただいた方に体験としてご満足いただいて、最終的にご購入いただくことでした。サイトローンチ後、きちんとデータとしてPV数や滞在時間が改善し、最終的なCVRも改善しているということは、間違いなくお客様からご満足いただけているということだと思うので、非常にポジティブにとらえています。

また昨年の春先に立ち上げたECサイト内の新ブランドも、当初はなかなかお客様に購入いただけていなかったのですが、サイトリニューアル後に一気にお客様に届くようになり、今年の1〜3月の数字は過去最高を記録しています。
それも今までリーチできていなかった40代以下のお客様の構成比率が高まっていて...。
CVRも上がりつつ、こうした変化がみられたということは、既存のお客様にもご満足いただきながら新しいお客様が来ていただいているという証拠でもあるので、受け皿としては非常に良い形で改修できたと思っています。

松田:会社の「思い」が適切にサイトで表現されると本当に数字が伸びるので、やっていても楽しかったですね。

UI/UXのセオリーであったりとか、狙いたいターゲットに対してのあるべきサイト構成に対して、サービスのブランディングの方向性・届けたいメッセージや実際のお客様の声をきちんと融合させていくことが「本質的なサイト改善」だと思うので、それがちゃんと数字にも表れて感動しました。

一般的にベンダーはセオリー施策だけを提案するといったことも多いのですが、実際のお客様の声を反映させるために、東京ソワールの皆様と議論しながらプロジェクトを進行できたことで「お客様に本当に届く」サイトを実現することができました。

「単純なセオリーではなく実際のお客様の声にあわせてどういったことができるのか」をSpeeeのサービスとして大事にしていくきっかけになった取り組みでもありました。

島村様:実際のお客様には我々が一番接していることもあるので、Speeeさんからいただいた知見と融合させながら最適解を探っていくことができました。

今回の取り組みは、当社としても知見がかなり溜まりましたし、社内のメンバーにもお客様のユーザビリティをベースに判断する癖がついたと思います。

SESSION 04

お客様のニーズに寄り添ったキーワードを生み出し届ける― 新たなSEOの戦い方

サイトリニューアルがひと段落して、2025年1月からはSEOも本格的に強化していくことになり、Speeeとの取り組みが加速されたようですね。SEO強化の背景を伺えますか?

島村様:サイトリニューアルを通して受け皿側は整ったので、もう後は集客するしかないと。

ただし、集客するといっても、我々のサービスとの親和性が高い方に来ていただかないと意味がないんですよね。
目指していきたいこととして、広告のような一方的なアプローチというよりも、お客様が求めたタイミングで我々が寄り添っていけることがあったので、それをやっていくにはやはりSEOしかないかなと思って、強化していくことにしました。

その際には他のベンダーさんのお話は聞かず、Speeeさんでお願いすることに決めていました。

インタビュアー:SEOでも「とにかく検索数が多いキーワードの順位を上げましょう」といった話もあるかと思うのですが、御社が実現したい「サービスとの親和性が高いお客様を集客する」うえでは、キーワードの選定から非常に重要ですよね。その中でSpeeeがリニューアルプロジェクトで理解を深めたお客様像を基に、キーワード戦略を緻密に設計できたのではないかなと思います。

島村様:そうですね。我々もある程度消費者の方が今使っているキーワードを把握することはできるんですけど...。
理想としては、お客様の一歩先を行く、「こういう商品を求めているときにこういうキーワードが最適なんだ」というのを我々がくみ取ってお客様に投げかけてあげる、そこからキーワードのトレンドが生まれていく、といったことをフォーマルウェアという業界でやっていきたいんですよね

松田:「フォーマルで良いものを着る」というコンセプトが、特に若い世代にはあまり浸透していないのが現状なんですよね。レンタルで済ませてしまったり、ぱっと見の見栄えさえよければ別に生地の質は気にしないとか。
そこに新たなキーワードでどうくさびを打っていくのかというのは、SEOでのチャレンジだなと思っています。

島村様:昨年当社でクラウドファンディングを行った際に気づいたことがあって。
たたんでも皺が付きづらい、小さく折りたたんで持ち運べる商品がずっとあったのですが、当初の企画設定では、旅行に持って行ける・お盆などで帰省した際に皺がつかないことから「トラベルフォーマル」という名前で、量販店で販売していましたが、ECでの売上がほとんどという現象が起こっていました。
その背景について仮説を立てたところ、ECでは「旅行に持っていける」の手前の機能である「たためる」という機能を強調していたことにあるのではないかというところに行きつきました。

そこでクラウドファンディングでも、「たためるフォーマル」というキーワードで打ち出したところ、これがかなり売れたんですよね。

同じように機能でいうと、「洗える」ことも格好つけて「ウォッシャブル」といって打ち出していて、SEOも「ウォッシャブル」でずっと対策していたんです。
でも、そんな言葉で検索してる人なんていなくて、「洗える」というキーワードでお客様は商品を求めているので、「たためて洗えるフォーマル」としたところ、しっかりお客様に届くようになりました。

お客様からも「たためて洗えるフォーマルがあるなんて全然知らなかった」というお言葉をいただいて、こんなに何年もやっていたのに、キーワードがお客様に寄り添ったものになっていなかった結果、全く伝わっていなかったんだということを痛感しました。

インタビュアー:お客様が商品にどういうことを求めているのかを本質的に理解して、お客様に寄り添ったキーワードを当てはめていくということですね。

松田:これは個人的にはSEOに取り組む全員が意識したほうがいいと思いますね。
後発でサイトを成長させていく、SEOで成果を出していくためには、既存のカテゴリワードだけにとらわれず、自分たちで市場のニーズやキーワードを発掘し、お客様に届けることが重要になってくるはずです。

島村様:今すでに世の中にある一般的なことはみんなわかっているので、お客様の潜在的なニーズを理解し、こういうキーワードがお客様に届くんだというところを先回りで生み出して対策できると、市場でのポジショニングは相当強いものになりますね。

インタビュアー:世の中に今あるキーワードの順位をただあげるのではなく、本当にお客さんが欲しいものを見つけようと思った時に、検索するキーワードを探し出して上位をとっていくというのがこれからのSEOでの戦い方ですね。

SESSION 05

「大切な想いの、すぐそばに。」ミッション実現のための事業の拡張戦略

最後に、今後の会社としての展望やSpeeeと取り組んでいきたいことをお聞かせください。

島村様:事業としてはフォーマルウェアだけでは終わりたくないと思っていて。
リブランディングプロジェクトでMVVを策定したのですが、「人の想いに寄り添う」というミッションがあるんですね。

「人がもっている大切な想いを表現する」手段を提供したいというのがあって、その1つがフォーマルウェアという洋服だと思っています。
ただ1つの手段に限定するのではなく、いろんなサービスを通して「その人の想いを誰かに届ける」お手伝いをしたいと考えているので、ECではもっといろんなブランドを作っていきたいですね。

それを進めるとなったときに、今までのフォーマルの中ではある程度届けるべき言葉を我々も認識できてきているのですが、全く違うプロダクトになったときに、どういう言葉が必要なのかは模索していくことになるので、それをSpeeeさんと一緒に議論しながら、1つ1つのブランドを成長させていきたいと思っています。

松田:我々外部のベンダーはどうしても「順位上げ屋さん」「CVR上げ屋さん」になってしまいがちなのですが、どんな施策をやるにしてもマーケティングは、「事業者様の思い」と「お客様のニーズ」で成り立っているので、その解像度が高ければ高いほど不思議なことにちゃんと成果がでるんですよね。

今回のお取り組みで改めてそれを感じましたし、今後の新規事業とマーケティング戦略もぜひ一緒につくりあげていきたいです。

インタビュアー:SEOでの取り組みも、今後の事業拡大も非常にワクワクする内容ですね。
引き続きよろしくお願いします。

インタビュー本文中に記載の企業名・役職・掲載情報等は、2025年7月時点のものです。

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