SESSION 01
失われた顧客をどう取り戻す?コロナ後に挑んだWeb再構築
弊社との取り組みは2024年2月からですが、Speeeにご相談いただく前に、コート・ダジュールがどのような課題を抱えていたか教えてください。
小澤様:そもそも始まりは新型コロナウイルスでした。カラオケ業界はコロナ禍で大きなダメージを受け、コート・ダジュールも店舗数も減らさざるをえなくなりました。また当時一種の風評被害のようなものもあり、「カラオケ=三密」というイメージがついてしまったことで、お客様がカラオケを避けるようになっていました。各自治体からの営業停止命令などもあり、お客様が来ない、来たくても来られないという状況に陥っていました。
その後コロナが明け、客足は戻りつつありましたが、Web集客、中でもSEOにおいては、「カラオケ×エリア」といった重要なキーワードで、2ページ目や1ページ目だったとしても下位に表示されていて、上位を競合他社にとられていたんです。せっかくお客様のカラオケへのニーズが戻ってきたのに、接点をとれていないという...。
そこで事業部として、「お客様との接点をもち、もう一度コート・ダジュールの認知を広げていこう」「そのためにSEOを強化していこう」という方針になったのがきっかけですね。
インタビュアー:内製で進めるという選択肢はなかったのでしょうか?
小澤様:過去は内製でなんとかなるんじゃないか、と考えていた時もありましたね。ただ、当時の状況を打破するためには、中途半端な対策じゃだめだと思いました。
また、当時競合他社はそこまでSEOをがっつりやっているわけではなかったと思うんですよね。それにも関わらず上位に表示されていた。ここでうちが本腰を入れれば、一気に形成逆転できるチャンスなのではないかと考えたんです。
Speeeさんは快活CLUB側でネットカフェ関連キーワードの順位上昇を支援していただいていたことを知っていたので、同じ店舗サイトのコート・ダジュールでも成果が出ることに期待して、お願いすることになりました。

SESSION 02
成果の土台は“SEOの基礎理解”から─学びながら実装したプロジェクト初期
具体的に取り組みが始まってから、プロジェクトはどのように進められたのでしょうか?
松尾:第一フェーズでは、先ほど小澤様からもあった通り、特定のエリアでカラオケを探している、ニーズが顕在的なユーザーをしっかりとっていくために、「カラオケ×エリア」で競合最高順位を取りに行くことに注力しました。各店舗ページの磨き込みの施策をメインで進めていきましたね。
小澤様:一部のエリアでは、コート・ダジュールの認知度も高く、それなりに順位をとれていたのですが、競合ひしめく関東や関西では全然で...。そこをとにかく順位を上げていって、コート・ダジュールの認知を広げなくてはと考えていましたね。
戦略や施策の細かい部分については、その当時は私がSEO初心者だったので正直全くわかっておらず、「SEOってそういうものなんですね」と思って、言われるがままに進めていました(笑)
インタビュアー:ただ実行段階では、知識面でのご苦労もあったのではないでしょうか?
小澤様:そうですね。最初は出てくるSEOの専門用語や施策内容に全くついていけず...。そのような状況をご相談したところ、御社からSEO勉強会のご提案をいただいたんですよね。
松尾:最初のタイミングは特に施策実装のスピード感も大事なので、弊社からも多くの施策をお出ししていました。御社で工数をかけて実装を進めていただく上で、「なぜこの施策をやるのか」「どのような狙いのもと、この施策を提案しているのか」といった背景や根拠をご理解いただいたほうがスムーズに進むと考え、勉強会のご提案をしました。
古閑:実はこの勉強会は、全てのお客様に実施しているわけではないんです。お客様ごとの課題や目標に合わせて、型化されたパッケージではなく、柔軟にプロジェクトをカスタマイズし支援を行うのが弊社の強みです。その当時の御社のチームの状況を踏まえ、早期のキャッチアップが最重要だと判断してご提案させていただいた流れでしたよね。
松尾:小澤さんのキャッチアップスピードが早かったこともあり、勉強会後にどんどん施策の話を進めていただけたのは、弊社としてもありがたかったです。
小澤様:チームにSEO知識が豊富な人間がいない中で、成果を出すためには知識をつけなくては...と強く感じていました。私自身学びへの意欲はかなりあったと思いますね(笑)
この勉強会は私個人の知識向上に繋がったことはもちろん、社内の人材教育にも活かすことができています。いまだに半年に1回くらいは勉強会の資料を見返して復習していますね。
松尾:そこまで活用いただけていたとは...。嬉しいです。
小澤様:あと、これはフロントの松尾さんに対してなのですが、私の知識レベルにあわせてコミュニケーションをアップデートしていただけているなと感じています。初期は完全に初心者だったので、そのレベルにあわせて進めていただいて当時は非常に安心できました。勉強会や定例会を通じて知識がついてきた今は、良い意味でハードルを上げた話もしてくれるので、やりやすいなと思っています。

SESSION 03
ビッグワード1位獲得─後発でも勝てるSEO戦略の証明
勉強会のおかげもあり、初期施策が順調に進んだ結果、どのような成果が得られたのでしょうか?
松尾:まずは狙っていた「カラオケ×エリア」の順位上昇を実現できました。店舗ページの施策が軌道に乗り、競合にもしっかり勝てるようになりました。
さらに、今年(2025年)3月頃からは「カラオケ」というビッグワードでも1位を獲得しており、第一フェーズとして非常に大きな成果を出せました。
インタビュアー:たった1年でビッグワードの1位を実現するのはすごいことですよね。
小澤様:そうなんです。しかもそれをしっかり維持できているのは嬉しいですよね。
古閑:後発であっても、店舗数が少なくても、ビッグワードやエリアワードなど重要キーワードで上位を獲得できることを証明できていますよね。
小澤様:成果が出続けているというのは本当にありがたいことで...。社内ではSEOの知識がある人間がほとんどいないため、誰が見てもわかる定量成果があることは、SEOの価値や、継続すべき施策であることの証明につながっていると思います。

SESSION 04
潜在層へのアプローチへステップアップ─第二フェーズで進めたコンテンツSEO戦略
第一フェーズの成功を受けて、次の段階としてどのような戦略を打ち出されましたか?
松尾:第二フェーズとしては、カラオケに興味がある潜在層の集客に力を入れるために、コンテンツ強化に移行しました。
小澤様:取組の当初に第一フェーズ、第二フェーズ、第三フェーズというように、成果をどう伸ばしていくか、プロジェクトの中長期ロードマップをSpeeeさんが引いてくれていました。当初の戦略方針からずれることなく、順調に進められています。
第二フェーズに入ってからは、「カラオケ機種」「カラオケの盛り上げ方」といった潜在層向けのキーワードでコンテンツSEOをがんがん進めているわけなのですが、Webサイト全体の流入数には非常に好影響を与えていますね。
松尾:コラムからの流入数は、昨年対比で150%くらいまで伸びてきています。ここからは、この流入数をCVにつなげる次の一手を考える必要があります。例えば、コラムに流入したユーザーが次に遷移できる受け皿のページとして、カラオケの利用シーンのページを作るといった内容は、目下進めている施策ですね。
Speeeとしては、常に事業やプロジェクトのゴールを見据え、足元の成果を次にどう活かすかを考えながら、小澤さんと同じ目線で進めることを意識しています。
古閑:アカウントプロデューサーとしては、第三者の視点からプロジェクト全体を俯瞰し、戦略や品質を管理しており、単なる数字だけでなく、現場の状況も踏まえた両面から常にチェックしています。御社との取組では当初設計したロードマップに沿って、プロジェクトを円滑に進められており、小澤様をはじめとする皆様からの高い評価に繋がっているのは、非常に嬉しいですね。

SESSION 05
“歌う場”から“楽しむ場”へ─カラオケの新たな価値を作る挑戦
最後に、今後のSpeeeへの期待や事業の展望についてお聞かせください。
小澤様:SEOの取り組みでいうと、現在は当初のロードマップの第二フェーズにあたります。このフェーズでのゴールは、集客したユーザーをCVに繋げることなので、まずはそこを、Speeeさんと一緒にやりきりたいと考えています。これまでの取り組みを通して、良いパートナーシップを築けてきたと感じているので、今後も成果創出に向けて伴走していただきたいです。
事業全体で見ると、「どのターゲットに、どこで、どんな情報を提供して、コート・ダジュールに来てもらうか」というマーケティング全体の戦略を改めて考えています。その一つが、“推し活”での利用拡大です。これは最近松尾さんとも議論しています。推し活をカラオケで行うメリットや楽しさといったポジティブな面をコラムなどで発信し、そこから来店につなげていく流れを強化していきたいと思っています。
また、客層という観点では学生とファミリー層の獲得にも注力しています。たとえば、コート・ダジュールには学生限定プランがあるのですが、それを競合他社との差別化要素として伝えられるよう、専用ページの制作も進めています。そのあたりも、引き続きSpeeeさんにサポートいただきたいです。
松尾:「カラオケ」単ワードで1位を獲得しているということは、カラオケの検索市場を引っ張るトップランナーがまさにコート・ダジュールであるといえます。そのコート・ダジュールが今後、カラオケ体験をどうアップデートしていくのか。弊社としても共に戦略を描いていきたいです。
単に「歌う場所」としてのカラオケではなく、推し活など「歌わないカラオケ」の楽しみ方を広げていくことで、「新しいカラオケ文化」を作っていけるように、事業パートナーとして伴走していきたいと思っています。

小澤様:あとはAI対策部分ですね。他社に先駆けてしっかりと準備を進め、スタートダッシュを切れるようにしたいですね。ここ3〜4ヶ月でユーザーの情報収集の方法が一気に変化していると感じており、それが市場全体に浸透するのも時間の問題だと思っています。そこに対してのSpeeeさんからの提案には期待しています。
古閑:ありがとうございます。AI対策についてはもちろん、御社の課題感やニーズ、市場環境の変化を常にキャッチアップしながら、最適なご提案を差し上げていきたいと思います。一緒にコート・ダジュール事業を成長させていくパートナーとして、ワンチームとして前に進めていきたいですね。
インタビュアー:第二フェーズの完走と、第三フェーズでの新たな市場開拓ですね。これからも進化していくプロジェクトに期待しています。本日はありがとうございました。

インタビュー本文中に記載の企業名・役職・掲載情報等は、2025年10月時点のものです。








