「AI検索への対策、そろそろ考えなきゃいけないけれど、まだ様子見でいいのでは?」
昨年末の第1回オフラインイベントでは「AI検索の台頭に備える」ことをテーマにしましたが、2026年1月22日に開催された「Speee Marketing Offline Event vol.2」で提示されたのは、具体的にマーケティング戦略に組み込んでいくためのロードマップでした。
今回のレポートでは、前回のイベントからさらにアップデートされた4つの重要トピック(最新市場データ、Speeeの実証実験で見えたAEOの実態、具体的な投資ロードマップ、研究機関AIRIの取り組み)を中心に、当日の熱気をお届けします。
予兆から現実へ。AI検索利用は「加速」している
第一部の冒頭、Speee AEOサービス推進責任者の藤井 慧里が提示したのは、昨年からの予測を上回るスピードで変化する市場の「現在地」でした。
前年対比でGemini 17倍、ChatGPT 3倍のアクセス数
藤井が示した最新データ(2025年10-12月期)によると、対話型AIツールのアクセス数は前年同期比でChatGPTが約3倍、そしてGeminiに至っては約17倍という爆発的な伸びを記録しています。
このデータが意味するのは、ユーザーの検索行動が確実にAI検索にシフトし始めたということです。

AI経由の直接+間接CVは全体CVの10%程度
さらに注目すべきは、購買行動への影響です。
半年前の予測では「AI型購買は1%程度」と見られていましたが、最新のデータではAI経由の直接・間接コンバージョン(CV)は全体の約10%未満にまで拡大していることが示されました。

依然としてGoogle検索などの既存チャネルが過半数を占めるものの、消費者の行動変化は確実に起きています。
マーケターに求められるのは、「SEOを捨ててAIへ」ではなく、「既存のSEOチャネルを維持しながら、急成長するAIチャネルをどう攻略するか」という視点です。
自社実験で見えた「AEO」の正体
続いてのトピックは、バズワードになりつつある「AEO(回答エンジン最適化)」について。
Speeeが自社で検証実験を繰り返した結果見えてきた、AEOの「可能性」と「壁」について語られました。
「有効」だが「高難易度」。生半可な対策では通用しない
Speeeの実証実験によって導き出された結論は、非常に示唆に富むものでした。
それは、「AEOは技術的に制御可能であり、極めて有効な手段である。しかし、その難易度はSEOの比ではないほど高い」という事実です。
安易なテクニック論や小手先の対策では通用しません。AIがどのように情報を理解し、採用し、推奨するのかというメカニズムを深く理解する必要があります。
ブラックボックスを解明する「AI Visibility Score™」
「では、どうやって対策すればいいのか?」
その答えとして紹介されたのが、Speeeが独自開発した指標「AI Visibility Score™」です。 AEOの成果を以下の4つのプロセスに分解し、どこにボトルネックがあるのかを特定します。
- 1. AIに見つけてもらえるか(AI検索訪問率)
SEO順位や外部掲載ページの状況。 - 2. AIに理解を促せるか(AI言及採用率)
コンテンツがAIに正しく読み取られ、評価されているか。 - 3. AIに推奨してもらえるか(第1位推奨率)
自社製品が比較文脈で優位に語られているか。 - 4. AI推奨がCVに繋がるか(AI推奨後CVR)
推奨された内容から、実際のアクション(購入・問い合わせ)に誘導できているか。
このスコアリングにより、感覚的な対策ではなく、データに基づいた改善が可能になります。


AI Visibility Score™ (AVS)とは? AI検索のブラックボックスを解明する、SpeeeのAEO独自メソッドの中核指標
AI Visibility Score™ (AVS)とは、AI検索における企業の「見つけられやすさ」や「推奨されやすさ」を定量化するSpeee独自の指標です。ブラックボックス化しているAIの回答生成プロセスを可視化し、AEO対策のボトルネック特定を可能にします。
自社の取り組みから見えた市場のAEOに対する誤解
この「AI Visibility Score™」の全体像を理解すると、巷で言われているAEOに関する「2つの大きな誤解」がなぜ間違いなのかが浮き彫りになります。
誤解①:AEO施策リストを網羅的にやれば成果が出る
市場では「エンティティ強化」「コンテンツ更新」「レンダリング調整」「サイテーション獲得」など、無数のAEO施策が語られています。しかし、これらを闇雲に実行するのは非効率です。
AI Visibility Score™の4つのプロセスのうち、「どこがボトルネックになっているか」を特定せずに手当たり次第に対策を行っても、労力に見合う成果は得られません。
誤解②:SEO = AEO である
「SEOをやっていればAEOも大丈夫」という考えも危険です。
AI Visibility Score™の構成要素を見ていくと、SEO(検索順位や信頼性評価)が影響するのは「1. AIに見つけてもらえるか」などのごく一部の領域(プロセスの入り口)に過ぎないことがわかります。
AIに「理解」させ、「推奨」まで持ち込むためには、SEOとは全く異なるアプローチ(構造化データによる意味付けや、比較文脈での優位性確立など)が不可欠です。 だからこそ、SEOの延長として捉えるのではなく、AEO独自の指標で現状を可視化し、ピンポイントで対策を打つ必要があるのです。
マーケターが考えるべき「3段階の投資戦略」
「AEOが重要なのはわかった。でも、予算もリソースも限られている中で、どう始めればいいのか?」
この問いへの回答として提示されたのが、企業の予算状況と顧客のAI移行度を掛け合わせた「3段階の投資ロードマップ」です。
①予算が少なくユーザーのAI移行も進んでいない:「SEO + AI影響モニタリング」
まずは既存のSEO施策を維持し、収益基盤を守ります。同時に、自社ブランドがAI上でどう語られているかの「モニタリング」を開始します。まだAIへの本格投資が難しいフェーズでも、現状把握だけは必須です。
②予算は少ないがユーザーのAI移行が進んでいる「SEO + AEO(局所対策)」
予算を大きく増やさずとも、AI利用率が高い特定のターゲット層や、AIと親和性の高いキーワード(悩み解決型など)に絞ってAEO施策をテスト実装します。全方位ではなく、勝てる領域で「AI流入の勝ち筋」を見つけます。
③予算が潤沢でユーザーのAI移行が進んでいる:「SEO + AEO(本格展開)」
AI経由の購買行動が顕著になり、勝ち筋が見えた段階で、AEOをSEOと並ぶ主力チャネルへと昇華させます。

このロードマップにより、参加者は「漠然とした不安」を「自社のフェーズに合わせた具体的なアクション」へと変換することができました。
知見を支える「AIRI」の研究体制
レポートの最後に取り上げるのは、これら全ての知見の「源泉」となっている組織についてです。
第二部では、SpeeeのAI技術の中枢「AIリサーチ&イノベーションセンター(AIRI)」のCSIO、渡邊 洋介が登壇しました。
コンサルの枠を超えた「研究開発機関」
AIRIは、AI製品の進化を予測する「理論研究」と、実案件ベースでの「大規模実験」を繰り返す、実践型のR&D組織です。
今回発表された「AEOの勝ち筋」も、このAIRIによる膨大な検証データがあったからこそ導き出されたものです。
「AIの進化を待つのではなく、進化の先で待ち構える」
Speeeが提供するAEOサービスが、単なるノウハウの切り売りではなく、技術的な裏付けに基づいたソリューションであることが強調されました。

また、セッション後の懇親会では、こうした研究開発の現場やサービス開発の裏側について、開発責任者やリサーチャーから直接話を聞くことができるのも本イベントの大きな魅力です。「普段は聞けないリアルな開発秘話が聞けた」と、多くの参加者が熱心に耳を傾けていました。

まとめ:Speeeが提言する「3つの指針」
イベントの締めくくりとして、Speeeから今後のマーケティング戦略における3つの重要な指針が提示されました。
1. AI検索対策を「中長期投資」として戦略に組み込む
AI経由での購買行動は、一過性のブームではなく今後確実に増加する構造的な変化です。短期的な成果だけでなく、中長期的な投資対象としてマーケティング戦略の柱に据える必要があります。
2. 「狙いをもった対策」を行う
AIへの最適化は技術的に可能であり、有効な手段です。しかし、その難易度は高く、闇雲に取り組めばハイコストな施策になりがちです。リソースを浪費しないためにも、勝ち目のある領域やキーワードを見極めた「狙いをもった対策」が不可欠です。
3. 自社に合った「ハイブリッド戦略」を立てる
全ての企業が今すぐAEOに全面移行すべきわけではありません。自社の消費者のAI移行度を正しく捉え、既存のSEOやモニタリングを必須事項(ベース)としながら、自社の状況に合った最適なAI検索対策を設計する必要があります。
AI検索の波は、もはや止められません。しかし、正しいデータと、正しいロードマップがあれば、それは大きなチャンスに変わります。
Speeeでは、SEOによる確実な集客支援から、AIRIの知見に基づいた最先端のAEO戦略まで、企業のフェーズに合わせたトータルサポートを提供しています。

